天然店員は俺様王子



オッサンは栗色の髪を耳に掛けて、俺を真っ直ぐ見据えた。


「全身全霊で、レオのまま、ありのままで頑張りなさい。じゃなきゃ恋だなんて認めないし、許さないわよ」


オッサン……。



認 め な い っ て 何 ?


何で俺が恋愛すんのにオッサンの許しが必要なんですかね?


たまにはイイこと言うじゃんとか感動するとでも思ったかふざけんな口のきき方に気をつけろ。


そう言ってやろうと口を開きかけた時「アタシを見なさい!」とオッサンは急にドヤ顔になる。


「見習いなさいレオっ!! このありのままの! 乙女の姿っ! 輝いてるでしょお!?」

「どっからどう見てもオッサンだろうがぁあああ!!! 何が乙女だ若づくりもいい加減にしろこの変態……っときめいてんじゃねぇよドM!!!」

「いやぁあああ助けて隼人ぉおお!!!」

「ちょ、ちぃ! 落ち付けって! 殴っちゃダメだって!」


逃げるオッサンをボコボコにしてやろうする俺と、止めようと追いかけて来る隼人で深夜の-mia-は騒がしい。