天然店員は俺様王子



「ご注文承ります」


注文票とボールペンをサロンのポケットから取り出して、営業スマイルを作る。


それぞれの注文を確認したあと、一応誰を指名するか聞いた。


「隼人とちぃ君で!!!」

「いつもありがとう御座います」


5人もいるもんだから、指名はいつもふたりにしてもらってる。


「少々お待ち下さいね」


ニコッと笑えば透がヘラッと笑い、昴がムゥッとする毎度の流れ。


どんだけ好きなんだ。ひとりの女をそこまで想えるなんて、信じられねぇ……。



そんなことを考えながらキッチンまで向かうと、スタッフしか入れない場所で倒れていた隼人を踏み越えて、注文票がきたことを調理スタッフに伝えた。



隼人の「ぐぇ……」って声、やたら気持ちわりぃな。