夕刻過ぎのフード店は、空腹を満たそうとする学生やOLで埋め尽くされる。


ただこの店の場合は、別の目的もあるだろうけど。



「ちぃ君メアド教えて〜!!」


休憩に入る直前に掛けられた声に振り向けば、今日ずっと視線を送ってきていた女子高生3人組が「キャーッ!」と頬を染めて叫んだ。


「俺の……? え、あの、モーニングコールとか出来ないよ?」

「やっだ、違うよ〜!! 普通にメールしたいんだってばぁ」

「嘘だぁ! 俺を使おうとしたってダメだからねっ」

「え~。ちぃ君に起こさるのもいいけどぉ……あっ! 嘘ウソ、待ってちぃ君ーっ!!」


話の途中で頬を膨らませて背を向けた俺に、「今日もダメだったぁ」と嘆く女子高生たちの声と、安堵する別の客の視線。




……ほんっと、最近の女子高生はどうなってんだ。


店内で、しかもバイト中の俺に堂々と。