天然店員は俺様王子




「ちぃ君も一緒に遊べばいいんじゃない?」


………あぁん?


「せやなぁ! ちぃ君も遊ぼうやっ」


キョウの発案に翔太が乗っかる。


見ると「遊びましょうよ」と微笑むキョウの鬱陶しさと言ったら只事じゃねえな。


「はは」


乾いた笑いをすると、不信そうに瑠雨が眉を寄せた。


何ですか一緒に遊びましょうって。


冗っ談じゃねぇ!!! 誰が敵の情けを受けるかボケが!!!



俺は今にも崩れそうな精一杯の笑顔を見せる。


「悪いけど俺忙しいから。バイトもあるし」


溜め息を吐きながら追い払うように手を動かした。


「楽しんでこい」


それだけ言うと、全員顔を見合わせてからドアへ向かう。


全員の背中を、瑠雨の背中を、見送る。


虚しさと悔しさがせめぎ合い、気付けば名前を呼んでいた。