天然店員は俺様王子



何、かな、って。


ダメに決まってますけど、何か?


俺の心情を知ってか知らずか、瑠雨は決意したように俺をしっかりと見上げた。



「……ダメ?」

「……………」


俺、ポーカーフェイスが得意で良かったと今心底思った。


何その上目遣い。押し倒したいんですけど。


「ふふっ。ほらレオ、可愛い瑠雨が頼んでるんだから、1回くらい許してあげたらどうなの?」

「そうだよちぃ君!!! 1日くらいイイじゃん!!!」

「そうよねぇ……心良く許してあげれるわよねぇ、レオ? 大人なんだから」

「…………」


誰かこの大魔王を倒してくれませんかね。めっちゃ弱み握られてる感がプンプン漂ってるんですけど。明らかに遊ばれてますけど。


冗談じゃねぇと思いながら、俺は大人、キョウより大人と自分に言い聞かせ、瑠雨の額をペシッと叩いた。


「明日はちゃんと手伝えよ」

「――! 分かった!!!」

「何、そんなに嬉しいわけ? キ……」

「黙れ変態ぃぃぃい!!!!!」


満面の笑みから突如牙を剥き出しにする瑠雨にベッと舌を出した。


ふん。ホントのことだろーが。


キョウと遊べて、嬉しいくせによ。