プリントを集める瑠雨を見下ろすと、悔しそうに顔を赤らめていた。
「ぷっ……くくっ……」
思わず笑ってしまい、瑠雨は口を押さえる俺を見上げた。
「何笑ってんの」
心底殴りたいって顔をされてるのに、それもまたイイとか思う俺はバカか。
「お前カワイーな」
――あ、やべ。
「……は?」
は?って何だよふざけんな。そこ普通なら「な、何言ってんの!?」とかどもって顔赤らめるとこじゃないんですかね?
「やっぱ可愛くねー」
「はぁああ!?」
可愛くないない。こんな女らしさの欠片もない奴なんて可愛くねぇよ。
いやぶっちゃけそこが可愛いのが真実ですけど?
「お前さぁ……キョウとどうなの」
瑠雨が集めたプリントを取り上げながら聞くと、一気に赤く染まる白い肌。
「かっ、関係ないじゃん!!!」
「…………」
キョウの名前出しただけで、どもって赤くなんのかよ。それ意外に傷付くんすけど。
俺は耳元で喋らないと、怒らせないと、赤くなんねぇくせに。



