「ふんっ! タダで言うこと聞くと思ってんじゃねぇよバァカッ!!」


こんのガキ……ッ!!

今すぐにここで押し倒してその身ぐるみ剥がしてやろうか!? 無理だけどな!


苛立った気持ちと邪な性欲を抑える為に腰に手を当てて俯き、深呼吸するように大きく溜め息をついた。


「まあいいわ。お前が言うこと聞いてくれんなら、安いもんだし」


そう言うと、瑠雨は腕を組んで俺から目を逸らす。


「――瑠雨」


名前を呼び、視線がかち合う前に瑠雨の耳元で言葉を発した。


「帰りのHR終わったらすぐ、準備室来いよ」

「……っ」


言い終わると同時に瑠雨は勢い良く俺から離れて、自分の耳を押さえる。



「……何赤くなってんだ、お前」


瑠雨の顔が……真っ赤とは言わないが、少し火照っていた。


「アンタねぇ! 耳元で囁くのやめてくんない!?」

「はぁ? 別に囁いてねぇよ。普通に話してんだろーが」

「じゃあ耳元で喋んのやめろ! アンタの声やたら耳に響くから気持ち悪い!!!」


……何だそれ。


一瞬疑問に思ったが、俺はすぐに口に手を当ててニヤリと笑った。