「――は!?」
聞き覚えのある声に振り返れば、俺とキョウの姿を見て驚愕の表情をあらわにする瑠雨の姿があった。
「アンッタ……」
ああこれってアレですか? 完全に俺がキョウを虐めてるように見えちゃってる感じですかね?
「ちょっと来い!!!」
「え!? 瑠雨ーーっっ」
「ほっときなさいよ透」
いや出来れば助けて欲しいんですけど。瑠雨に胸ぐらを掴まれて引きずられる俺を見て普通ほっとくか?
チラリとキョウを見ると、不満そうにするわけでもなく微笑んでいた。
クソ……まだ話終わってねぇのによっ!! バカ瑠雨が!
「なんっっでアンタがキョウといるわけ!? キョウに何かしたらただじゃおかないかんね!!!」
体育館裏まで連れて来られた俺は、予想通りの言葉を聞き流しながら壁に寄りかかる。
「話してただけだろ」
「何を話すことがあんのよ!!」
「関係ねぇじゃん」
「あるっつーの!!!」
うっせぇな……。大体何で俺がキョウと話しちゃダメなわけ?
別に何も困ることなんて……。



