――――……
「――キョウ。ちょっと来い」
次の日の学校、昼休み。俺は学食の前でキョウを待ち伏せしていた。
この俺が、まさかの待ち伏せ。
「どないしたんちぃ君。おっかない顔して」
真っ先に翔太が聞いてくる中、昴の隣でキョウは不思議そうにしながらも鉄板の優しい笑顔とやらを見せた。
「俺に用事だなんて、何かあったんですか?」
うーっわ。絶対分かってるだろその笑顔。
「……昴と翔太は邪魔だから席でも取ってろ」
「何やねんな! 俺らがおってもええやん!!」
「ショータッ」
「昴やって気になるやろぉ!?」
「俺の邪魔したら奈々にチクんぞ」
「早よ行くで昴ーっ!」
……めっちゃ尻に敷かれてんな。
「で、何ですか? 改まって」
人気の少ない学食の入り口から少し離れた壁に寄りかかりながら、俺はキョウの微笑みを見つめる。
……キョウってどこの血が混ざってんだっけか。イギリス?
パッと見日本人だけど、純日本人な俺がちょっとジェラシーを感じる程度にはクォーターっぽいよな。
地毛であろう茶髪に、薄い茶色の瞳はどこかグリーンが掛かってるようにも見える。



