「……はい?」
「野良猫みたいで可愛いんですって。イヌよりネコ派のキョウが言ってたわよ」
奈々が明らかにご機嫌なのは、俺が闘志を燃やすと分かっているからかもしれない。
「可愛いものねぇ、瑠雨。意地っ張りなとことか、頑固で素直じゃない上にすぐ手が出て……手懐けたくも、なるわよね?」
ニコリと笑う奈々に眉を寄せる。
瑠雨は野良猫みたいで、手懐けたいと思ってるのは俺だけじゃないってことだろ?
そこに好きという感情があるかは別として、キョウは瑠雨に懐いてもらいたいってくらいには思ってるって感じか?
……冗談じゃねぇ。
「明日キョウに言うか」
俺が呟いた一言に隼人は驚き、奈々は嬉しそうに目を輝かせる。
「言うって何をだよっ」
「宣戦布告?」
「素敵ね、レオ」
当たり前だっつーの。
何せ俺ですから。人生負けなしの完璧人間、俺ですから。
「飼い主は、ひとりで十分だろ」
三角関係なんて、ぶっ壊してやんよ。



