天然店員は俺様王子



――――…


「――ぶっは! やっぱちぃって瑠雨のこと好きなんじゃん!!!」


学校から-mia-へ直行し、バイト中の隼人を捕まえて瑠雨を手に入れる件について話したら、爆笑された。


ムカつくけど、我慢してヘタレ隼人の言葉に耳を傾ける。


「やっぱなー! そうだと思ってたんだよ。……ぶふっ!!! 気付いた途端失恋ってほんっと間抜けゴフッ!」


俺、我慢すべきじゃねぇな。我慢なんてすべきじゃねぇ。ストレスでハゲるっつーの。


隼人を殴った右手で頬杖を付いて、スタッフルームの床に倒れてる全く役に立たなかったヘタレを眺める。


「……どうすっかなぁ」


明日から、どう動くべきか。


「あら。そんなに悩まなくたって協力してあげるわよ?」

「いや協力とか言われても……」


頬杖を付いていた顔を勢い良く上げると、声の主は腕を組んで妖艶に微笑み、俺を見下ろしていた。


「何でいんだよ!!!」


驚いて立ち上がった俺を楽しげに見つめてくるのは-mia-の常連客であり隼人の後輩。


透と瑠雨の親友、超絶美少女の三神奈々だった。