「ちぃ君! 店長のこと止めて!!!」
「彼氏来させなきゃいい話じゃない?」
「は! そっか!」
ブレザーのポケットから携帯を取り出した透は数回ボタンを押してから耳に当てた。その瞬間、店内がざわつく。
……遅かった。
「いらっしゃいませ!」
見れば、数名の高校生が出入り口に立っていた。
その先頭でスタッフと話してるのは、長身細身で見るからに柔らかそうなプラチナ色の髪をした男。
「ああ……来ちゃった」
「……みたいだね」
スタッフと一言二言話してから俺と透の方へやって来る男のオーラと言ったら半端じゃねえ。
客が思いっきり目で追って、頬を染めてやがる。



