天然店員は俺様王子



「女子高生はね、妄想好きなの! 分かる!? アンタ顔だけはイイんだから、生徒は平等に扱わないといつか後ろから刺されるよ!」


……あぁ。俺に恋しちゃった生徒が妄想膨らませちゃって、嫉妬から、ちぃ君はあたしのモノよーっグサッ! みたいな?


あるわけがねぇだろ! ドロドロな昼ドラの見すぎ。


そんなことより顔だけはイイ? 見た目から中身まで完璧だと今すぐに訂正してもらおうか。


「とにかく、お互いの為にあんまり話さない方がいいってことで! じゃっ! サヨナラーーッ!!!」

「は!? おい……!」


言うだけ言って勢い良く帰って行く瑠雨を追い掛けようとしたが、すでにだいぶ遠くまで走っていて追い掛ける気力は沸かなかった。



「つか、帰っていいなんて一言も言ってねぇし」


俺はそのままドアにもたれ掛かり腕を組んで溜め息をつく。


……必要以上に話し掛けんな、ね。


何だソレ。俺に命令なんて随分偉くなったもんだな。お互いの為にって、全く為になってねぇし。


俺の気持ちフルシカトですか。


瑠雨は話したくないだろうけど、知るかよ。俺は話してぇし、構いてぇんだっつーの。


そんなに俺が嫌いなわけ?



俺がこんなに想ってんのに……。