天然店員は俺様王子



「透たちと遊ぶ約束してんの」


透たち、と聞いた俺は妙に胸がザワザワとうるさくなる。


「何ソレ」

「は? いやだから、遊ぶんだって言ってんじゃん」

「誰と」

「はぁ? だから透たちだっつーの! 話聞けよっ」


フーン。それってアレじゃん? キョウがいるから早く帰りてぇんだよってことだろ?



「どんだけキョウ好き」


ポツリと言うと聞こえたのか、瑠雨の顔は一気に赤くなった。


……フーン。好きだって認めたわけだ? キョウのどこがイイんだか。


「お前さぁ、キョウの何が好きなわけ? よく笑うとこ? 優しくてイイ人なとこ?」

「アンタにキョウの良さは分からない」

「……言っとくけど、キョウ、優しくなんかねぇだろ」

「は? キョウが優しくなかったらどんな人間が優しいんだよ」

「ふはっ! アイツの中身は腹黒いね、間違いなく」


表情とか言葉とかは優しさ溢れてっけど、中身は違うね。言うなれば……。


「奈々と同人種だぞ」

「奈々? ……いやいや頭大丈夫? 奈々がどんな性格か分かってる?」


人の不幸大好きで人の不幸を楽しみに生きてる腹黒美少女?