天然店員は俺様王子



「見てんなド変態」

「…………」


ああ……やっぱり俺は末期に違いない。


思いっきり眉を寄せて口を歪ませるこんな可愛げのない女、普通ならご免だ。


こんなに跪かせたいと思った女はいない。


俺、どんだけ瑠雨を手懐けたいわけ?



「……さっきから何? ジロジロ見ないでくださーい」


瑠雨はペットボトルのミルクティーを机に置いて……って、ミルクティー?


「はあ!? それ俺のミルクティーじゃねぇかよ!!!」


俺が頼んだやつじゃねぇか!!!


「ぶはっ!! 超今更!!!」

「上等じゃねぇかコラ……吐き出せテメェ!!戻せ!!」

「リバースしろと? 汚いんですけど。無理なんですけど」


詰め寄った俺に瑠雨はツーンと顔を背ける。


こんの……っ!


「てかもう帰っていい?」


……は? いや空気読もうか? 俺今何しようとしたか察せませんかね?


……二度も唇奪われたそのバカな頭じゃ分かるわけねぇよな。