──バサッ!!ドンッ!!!


車の雑誌に視線を落としていた俺は、突如机に現れた250枚の紙切れとロイヤルミルクティーに一度眉を寄せてから、上を見上げる。


「……早々とどーも」

「どーおいたしまぁ~してぇ~」


見上げた先にはもちろん瑠雨が立っていて、それはそれはもう今すぐ鬼になれちゃうんじゃね?ってくらい怒りオーラを纏っていた。


変身? お前変身出来んの?


だよな。お前の人殴る力は尋常じゃねぇもんな。やっぱ人間じゃなくて鬼だったか。


「もう我慢なんねぇ!!!」


あーあ。コレってもしかしなくても怒らせちゃった感じだよねー。



「何っなの!? 仕事してんのかと思えば雑誌!? 何なのアンタ!!!」

「千草麗桜18歳ですけど何か問題でも」

「だーーっ!!! 何様かって聞いてんだっつぅの!」

「は? ……んーと、俺様?」


きょるんって効果音が似合うんじゃねぇかってくらい可愛く首を傾げてみると、数学準備室にブワッ!!っと殺気が充満した。


「逝け! 召されろ! 成仏しやがれ変態冷酷悪魔!」

「悪魔は成仏しなくね? そこ浄化とかお祓いじゃん?」

「どっちでもいいわぁぁあ!!!」


ちょ、暴力はんたーい。

胸ぐら掴まれたよ誰か助けて。