「――何? まさか瑠雨の昼飯ソレ?」
うっせぇ黙れボケが!
千草麗桜に声を掛けられてあたしの乙女思考は完全に停止。
最悪。台無しもいいとこだ。
「俺のあげるから大丈夫ですよ」
あたしの斜め前に座るキョウは千草麗桜に微笑み、蕎麦つゆの入った椀に少量の蕎麦を入れて差し出してくれる。
や……あの……やっぱり食べるには相当な勇気が……。
「これくらいなら食べられる?」
食べれますとも! 勇気なんて今貰いました!
優しく微笑むキョウに射抜かれて「ありがとう」と言って椀と箸を受け取った。
「間接キスー」
「――げほ! ごほっ!」
「ル、ルー!! ダイジョブ?」
昴の片言な日本語が聞こえたけど、それどころじゃない。
咽せた喉を押さえてギッと2つ席を挟んだ千草麗桜を睨むと、涼しい顔して笑ってる。
文句を言ってやろうと口を開き掛けた時、キョウが吹き出した。



