「俺がいたらダメ?」


若干の天然っぽさと微妙な俺様っぽさが融合してるんですけど……ああそっか。透たちの前ではあんまり猫被らないんだっけ?


「……やっぱどーでもいい」


100円を手に財布をテーブルへ置き、自販機へ向かった。


千草麗桜と一緒に昼飯なんて、食欲湧きませんからね。



「はーあ……」


学食を出てすぐある自販機の前で本日何度目か分からない溜め息をついて、100円を硬貨口に入れる。


せっかくキョウを間近で見れるってのに、アイツがいるせいで……鬱。


紙パックの紅茶のボタンを押しながら、このまま教室に戻ってしまおうかと考える。


ガコンッと取出口に響いた音にしゃがもうとすると、大きな手があたしよりも先に紅茶を取り上げた。


「まさか昼コレだけ?」


紅茶を手に目を丸くしてあたしと視線をかち合わせたのは、キョウだった。


「……え? あ、お昼!? えっと、うん、コレだけっ」


だからキョドりすぎだってあたし!


「ふはっ! ゴメン、さっき財布から100円しか取り出さなかったら気になって」


笑いながら紅茶を差し出すキョウを見ながら、おずおずと紅茶を受け取る。