「はーやーくーっ!!」


ぴょんぴょん跳ねてまで自分たちの存在を教えてくれるのは有難いけど、透の周りにいつもの4人がいるだけならいいんだけど……。


何でアンタまでいんの!? 千草麗桜!!!


「…………」


あたしは嫌々ながらも透たちの席に歩み寄る。


千草麗桜の向かい側に透、その隣に昴とキョウ。千草麗桜の隣に奈々と翔太。


ちょうど3対3で座っているんだから、やっぱりあたしは帰りたい。


「ずっと寝てたのー?」


みんなが集まる席に辿り着くと、透が特大のカツ丼を手に聞いてくる。


「……うん」


返事をしてから、あたしは千草麗桜から1番遠く顔も見なくて済む翔太の隣の席に携帯を置いた。


「どないしたん瑠雨。眠いんか?」

「んー……」


曖昧な返事をしながら千草麗桜を見ると、目が合ってしまった。


「おはよう、瑠雨」


出た。悪魔の微笑み。


「何でソイツがいんの?」


あたしの言葉に、みんなが千草麗桜に視線を移した。