「あとでみんなも来るよ〜。今日は各委員会の集会日」
「……お前は?」
「昨日やった。あたし学級委員だもん」
「げっ、お前が!? あー…そういやそんな話聞いたな」
透と隼人の会話を聞いているのはどうやら俺だけではないようで、一部の客たちがソワソワし始める。
「……チッ」
思わず隠れて舌打ちもしたくなるって話だよ。
いつもは俺の独壇場。俺は人気No.1スタッフだけど、人気No.1“客”が来店した時、俺の独壇場ではなくなる。
「――透、いらっしゃい」
「あ、ちぃ君! 久しぶり〜!!」
6人席に案内された透の元へ足を進めると、何の曇りもない笑顔を向けられる。
「先に注文する?」
「ううん! みんな来てからにするっ」
「そ?」
「うん!」とまん丸のデカい二重を細めて元気に頷く透。
童顔でチビけど、充分女の子らしい。まあ、そのちょんまげ前髪はいかがなもんかと思うけど、それより気になることがある。



