「――……?」
ブレザーのポケットから振動を感じて目を開けると、太陽の光に目が眩んだ。
……あれ? こんな晴れて……たよな。
寝てた? 今何時?
軋む体を起こして、ポケットから震え続ける携帯を取り出す。
「もし……」
『やっと出た! 寝てたの!? もうお昼だよ~っ!』
「あー……透か。そうっぽいね」
寝惚け目を細めながら見上げた空に、1番高くまで昇ろうとしている太陽。
『学食! 待ってるからねっ』
透はそれだけ言って、あたしの返事も聞かずに電話を切った。
学食……キョウに会えるのかな……。
ボーっとする頭でそんなことを考えながら、屋上を後にして学食へ向かった。
「瑠ー雨ー! こっち!」
気怠く学食に入ると、奥の方で両手を振ってる透を発見。
「…………」
「え!? ちょっと瑠雨!? こーこーだーよーっ!!!」
学食にいる全生徒の視線を無視しようにも、透の声が大きすぎて出来ない。
あたしは学食を出ようとした足を止めて、眉を寄せながら振り向く。



