校庭には黒いジャージに赤いラインが入っている3年生がいて、すぐ目に入るプラチナの髪を見つけた。
キラキラと輝くプラチナの髪を靡かせる昴の隣で、キョウが笑っていた。
携帯を取り出して、透に『王子が体育してるよ』とメールを打つ。
持久走でもするのかと観察していると、すぐに携帯が震えた。
“今すぐ写メって送って!!!”
「ぶはっ!」
透のゾッコンっぷりにはいつも感心すると同時に笑える。
あたしはカメラ機能を立ち上げて昴を隠し撮り、すぐ透に送った。
暫くしても透から返信が来ない理由は分かっている。
きっと写メを見た瞬間あまりの格好良さに叫んで、つんちゃんに怒られて、問題を解かされているに違いない。
分かってて送ったあたし、鬼?
笑いを堪えながら再び校庭を見下ろせば、色素の薄いキョウの茶髪が太陽の光に透けている。
優しい笑顔がめちゃくちゃ眩しい。
カラコンは入れてるけど、視力が悪くなくて良かった。
「……キレー」
あたし凄いドキドキしてんじゃん。
これが恋じゃないなら、何だっていうの。



