天然店員は俺様王子



「先生彼女いますかー!?」

「てか超カッコいいーー!!!」

「ちぃ君て呼んでいいですかっ?」


邪魔だ阿呆共ぉぉぉお!!!


1番後ろの席のあたしは、前のドアから出て行った担任を追い掛け損ねた。


「ああもうっ!!!」


急いで後ろのドアから出ようとする、が……「村上さん」と、アイツの声。


「早速手伝って欲しいことがあるんだけど……今、忙しいかな?」


首を傾げて遠慮がちに微笑む千草麗桜に芽生える殺意はきっと本物。


あたしには分かる。


手伝わなかったら担任にチクってやるかんなテメェコラ。逆らったらどうなるか分かってんのか、あぁん?って言ってる。


拷問だ……こんなのが2週間も続くなんて、考えたくない。


ほんと、最っっ悪!!!




「ほんと、最っっ高」


数学準備室で絶対顔色の悪いあたしを見ながら、目に涙を溜めてクックッと肩を揺らして笑う千草麗桜が鬼に見えます。


ここに鬼がいます神様。成敗して下さい。もしくは桃太郎を派遣して下さい。


吉備団子ならあたしが用意しますから!!!!


「だーから言ったじゃねぇか。またな、って」


知るかよ! まさか学校に来るなんて誰も思わないっつーの!!!