天然店員は俺様王子



―――…


今日も-mia-は御礼満員。俺の人気株も上乗、もちろん気分も上々。



「「いらっしゃいませー!」」


その声に顔を上げると、1番出入り口に近かった隼人が来店した客の元へ歩み寄っているところだった。


「いらっしゃ……って透じゃん」

「うははは!!! 隼人ーっ」

「今の俺のどこが笑えたんだよテメェこの!!!」

「久しぶりーっ!」


……また来たのか、アイツ。


ピョンピョン飛び跳ねて笑顔で隼人と話す女子高生は-mia-の常連客であり、隼人の後輩でもある向井 透(むかい とおる)だった。


以前ちょっと色々あって、俺もそれなりに面識がある。


「つか、ひとり?」


いつものように出入り口付近に突っ立ったまま喋り出す透と隼人を眺めていると、気になっていたことを隼人が聞いた。