天然店員は俺様王子



「そうだよぉ。今日から仲良くしてね?」


あぁああああああその嘘くさい笑顔と気色悪い声と台詞までアイツそっくりですね何ですかね! 双子の片割れとかですかね!?


「先生っ! ちぃ君、隼人と同じ大学で友達なんだよっ」

「隼人? ……ああ、卒業したバスケ部のエースか。そういやお前仲良かったな」


そんな昔話はいらない。隼人なんてどーーーっでもいい!!


なんで大学生のソイツが高校に!! しかもウチのクラスに!! いるかってこ、と……ああもう認めちゃったじゃん。


認めたくない。関わりたくない。


もう二度と会うことはないと思ってたのに……。


「それでなんでちぃ君がいるの?」

「んー? 実習生なんだよねぇ~」


……は?


「教育実習生!?」

「うん、そう」


透に頷いてみせた千草麗桜はくるりと体を前に向けて、ニコリと笑みを浮かべる。


「改めて、教育実習生の千草麗桜です」


伊達眼鏡をくいっと持ち上げる姿に女子たちノックアウト。


男子! 睨め! 頑張れ!


顔は負けてるけど、あんたらの心の綺麗さはダントツで勝ってるから!!!


「今日から2週間……よろしくね?」


ちょっと待て変態。


その嘘臭い笑顔でクラスメイトの女子を騙すんじゃねぇ!