「ちょっと赤いね」
「や! 本当に大丈夫だからっ」
だから離して下さい! 何か手が発火しそう!
「女の子なんだから、喧嘩は程々にしなきゃダメだよ」
ボッ!と真っ赤に発火したのは右手ではなく、あたしの顔だった。
「え、や、あたし、女っぽく……ないし……」
恥ずかしくて俯くと、温かい大きな手から右手が解放される。
「どう見ても女の子だよ?」
ああ神様……何で今あたしはボイスレコーダーを持ち合わせてなかったのか、猛烈に後悔しています。
時をかける能力が欲しい! そしたら今の言葉を録音して100万回聞くよあたし!!!
「瑠雨?」
「はいっ!!!」
「ぶふっ!!! ……喧嘩はダメだよ? 何事も平和が一番だからね~」
目を細めて微笑むキョウに、キュンと音を立てる胸の奥。
二度もすいません神様…………キョウの爪の垢を煎じてアイツに飲ませて下さい。
100万杯ほど。
「ところで瑠雨ってさ、ちぃ君が好きなの?」
突然、まるで普通のことみたいに聞いてきたキョウに目を見開いて硬直する。
あたしが……アイツを……好き?



