天然店員は俺様王子




「サービスだろ。サービス。俺はガキに興味ねぇよ」

「そのサービスに店長が涙を浮かべて悔しそうにハンカチ噛んでいたのはご存じですかぁ〜?」

「…………」


オッサン……仕事しろ!!!


思わず舌打ちしそうになると、ふと目に入った常連のOLたちが手を振ってきた。


無邪気な笑顔で手を振り返せば、今日何度目か分からない黄色い悲鳴。



「……詐欺だよな」

「黙れヘタレ」


笑顔のままボソッと毒を吐くと、身震いする隼人。


「騙されるもんだよ」

「騙される方が悪い」


フッと笑ってから、来店した客のもとへすぐさま歩み寄った。


ミーハー心も本気の言葉も分からないふりをして、お客様第一主義で笑顔を撒き散らす。



さて、甘い蜜に誘われてやってくるのは、今度はどんなやつなんだか。