天然店員は俺様王子



「な、によっ!!!」

「なにだぁ? 俺の台詞だっつーの」

「はあ!?」

「俺に用事があって-mia-に来たんじゃねぇのかよ。なぁ、俺に用事あんだろ?」


駅裏の暗い路地に月明かりだけが降り注いで、千草麗桜の悪戯な笑顔が照らされる。


ムカつくほど、綺麗な顔をしてる。性格は最悪だけど。


「……アンタ、あたしが復讐しに来るって分かってたわけ?」

「分かるだろ普通。殴りに来たんだろ? お前ほんと、単純」


なんなの。ムカつく、ムカつく。


あたしコイツに踊らされてるんじゃん。



「皿の文字、アレ傑作だろ。塩焦がして書いたから大変だったわ」

「暇人。働け」

「……アイツ、確かキョウって名前だよな? 好きなんだろ」

「はあ? そんなんじゃないし」

「何照れてんだか。お前さ、キョウを見る瞳がバカみたいに輝いてんのな。……バレバレだっつーの」

「そんなんじゃないって言ってんだろ! アンタほんっとウザい!!!」


掴まれた手首を振り払おうとしてもやっぱり逃げられず、挙句鼻で笑われた。


先程よりも込められた力に、ジリジリと熱と痛みが手首に集まっていく。


すると、携帯に電話がきたことを知らせる着信音が鳴り響いた。