天然店員は俺様王子



「こんのっ……ぐぇ!!!」


クソ野郎!と殴るはずだったあたしは、誰かに襟を掴まれ後ろへ引っ張られた。


「っにすんだ……ゲッ!」


振り向いたあたしのYシャツの襟を掴んでいたのは。


「ちょぉっと来なさい」


ゲイのオッサン……もとい店長。


「アンタまた殴る気だったでしょ」


ボソッと言うオッサンのにこやかな笑顔は黒さ全開。


何なの、この店は嘘だろうが笑顔を絶やさないのが信条なの!?


「離せよオッサン!!!」

「黙らっしゃい小娘!!! あたしをオッサンって呼んでいいのはレオだけよ!」

「あははっ。何言ってるんですか店長~。俺が店長のことオッサンなんて呼ぶわけないじゃないですかぁ」


ここにも黒い笑顔をした変態……。


くっそ! 殴るタイミングなくなったじゃん!!!


そんなあたしに気付いたのか、睨み上げるあたしを見下ろしてニッコリ笑う千草麗桜。


「ほら来なさい! 今日は帰さないわよ!!!」

「はぁぁあああ!?」


オッサンに引きずられる中、どんどん遠ざかる千草麗桜を見ればまだ笑顔を浮かべていた。


ざまぁみろボケって言ってる。絶対バカにしてる!


むかつくーー!!!