天然店員は俺様王子



「――はっ! 欲しいの!? あげないよ!? 店の真ん中で堂々と泥棒しちゃダメだよっ」


無邪気な女子高生にサロンを引っ張られて引き止められてる変態は、「めっ!」なんて気色悪い怒り方をしてる。


「ちぃ君超可愛いんだけどーっ!!」


どこらへんが!?


騙されるな女子高生。

そいつは天然という仮面をかぶった冷酷な悪魔なの。超鬼畜な俺様なの。


よく見ろって。笑顔の裏で汚ぇ手で気安く俺様に触んじゃねぇよクソガキがって言ってますから。


「もぉ! はーなーしーてーっ! 仕事しないと店長に怒られちゃうんだからっ」


なぁにが、はーなーしーてー!だよ!


そこまでキャラ違うと感動通り越して呆れるわ!


頬を膨らます変態に、あたしと奈々以外の女性客が胸を押さえてる現実が信じられない。


「メアド教えてくれたら離す~っ」


おいおいマジか。そいつなんかのメアド知ったら呪われるって。絶対メール文は血文字だって。


パシられて永久にアーメンだと、あたしは思います。


「メアドって……そんなこと言って暇な時にしか連絡くれないんでしょ? ……そんなの俺、寂しくて死んじゃう……」


うげぇえええええキッモーー!!!!


「「きゃあぁあああ!!!」」


はーーーー!?


女性客がバタバタと倒れ、萌えすぎて悶えている意味が分からない。分かりたくもない。