天然店員は俺様王子



「あ、ちぃ君俺ペペロンチーノー!」

「俺和風パスタで」


翔太とキョウが手洗いから戻ってきて、席に着く前に注文する。


「了解しました~っ! ご指名隼人だけってことなんですが、宜しいですか…?」


男相手にまでウルッとしてんじゃねぇよ!!!!


「え? 何でやねん。ちぃ君は?」


翔太が奈々の目の前に座りながら言うと、キョウがあたしの向かい側に腰掛けた。


――ぎゃあ!!! そっか……普通、こうなる、のか?


「何で隼人先輩だけなん?」

「お黙り翔太」

「なんでやねん!」


言い争う奈々と翔太に構わず、あたしはさっさと立ち去ってほしい変態を見上げる。


「隼人だけでいいから」

「……は~い。了解しました。少々お待ち下さいねぇ」


ニコッと笑う変態は密かに注文票をグシャリと握り締め去っていった。


指名率が下がって悔しいとか?


たかが2人分指名取れなかっただけで……心狭いな。針の穴ほど小さい男だな。


「ねぇ瑠雨。もしかして復讐する人ってちぃ君?」

「へ?」


顔を前に向けると、キョウが首を傾げていた。


「えっ! いや、え、まぁ……うん……」

「ぶふっ!!!」


それはキョドったあたしに笑った感じ……?