「ここが、伊桜なんだ。君がいた時より、約五百年後の」



だけど、この人がそういう人じゃないって、嘘をついたりしてないって――



「やはりか」



意外とあっさりしてますね!!


思わずテーブルひっくり返しそうでしたよ! 卓袱台じゃないから出来ませんけど!


いやはやもうちょっと理解に苦しむ姿とか、わけがわからず鳩が豆鉄砲食らったような顔とか、それかああいっそ驚愕の事実に対面して慌てふためく姿とか。



とりあえずもうちょっとリアクションしろよ!



「ダイ、お前の妹は気が触れたのか」


「んー、ああまあ元々こんなんだから気にしないで」



呑気に二人でお茶啜ってる場合じゃないでしょ!?



「で、虎は何でそう思えたわけ?」


「五百年も後、というのはわからぬし、実感もわかぬ。だがこの土地は伊桜だと思えた。ただお前ら二人の立ち振る舞いも、屋敷やその中にあるもの、食事も風呂も何もかもが異質に見える。初めは外つ国(とつくに)だとも考えたのだが……言葉は通じるしな」



私のことは全てスルー、余りに無視が綺麗で気持ちがいいぐらい。


どんだけ度量があるんでしょう、この鬼虎は。