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「うわっ」



縁側に一人座っていたら、急にうなじがひんやりして後ろを振り向く。



「食べるっしょ?」



そこに立っていたのはカップアイスを二つ手にした兄。


歯磨きの直後だけど、なんとなく左側のを手にした。



私の好きな、チョコミント。



スプーンを渡しながら隣に座った兄が「あっちー」と自分のアイスを額に当てた。



そんなことしたらアイス溶けるって。


いくら外で夜とはいえ、暑いのに変わりはない。


風鈴の音だって、豚に入った蚊取り線香の香りだって、涼しさを本当に運んできたりはしない。



でも、喉を通るチョコミントのアイスは、涼しさを届けてくれる。