戦国サイダー

「離してよ」



その頬めがけて勢いよく振った右手は、顎を持っていた手によって阻まれる。



「だが学ばなければ、戦で活躍は出来ぬな」



馬鹿だ、私。



結局両手を掴まれた状態、もちろんこの鍛えに鍛えた男の力に敵うわけなんてない。


案の定左手首を押さえていた鬼虎の手に、私の右手首が加わる。



その顔が、怖くて、美しい。


その美に圧倒されて、息をすることすら苦しい。



自由になった鬼虎の手が、改めて私の顎を掴む。



「……し……て……」



声を出すことすらままならない、微かに出た今の声じゃ否定の意味にならない。



「黙れ」



そう、気押されて。