そう決めてアイスでも食べようと冷蔵庫へ向かった私の左腕がはしっと掴まれる。


そんなの鬼虎しかいない、いや出来ることなら幽霊だとありがたい。


「なんでしょうか」と言いつつ振り返ると、すぐ目の前に鬼虎の顔があった。


掴まれた左腕が引っ張られ、自分の頭上に持ち上げられる。



「……なんです」


「自惚れるでない」



か……って被せ気味に言ってきた言葉がそれ!?


そんなわけないでしょう、どうして自惚れるのさ。


あれですか、継虎さまは自分が美形って自覚をお持ちですか。



長い睫毛が影を作る瞳を思いっきり睨んでやると、鼻で笑われた。



「ダイの手前そう言ってやっただけだ。本心なわけがない」


「なっ……」



コイツ、何!? とんでもなく性格悪くない!?