対して思李は、私が一番書きやすい、演じやすい子になってしまいました。


基本的に私は自分の作品を『キャラクター小説』だと思っています。

すなわち私が演じて、書いているということ。


途中何度も、本当に嫌な顔をしてみたり、ポーズを取ってみたり。

最後の方は、馬鹿みたいに泣きながら。


傍から見たら、きっとかなり奇妙な光景が広がっていたと思います。



思李は、最初どこにでもいる子で、まだまだ幼い女の子です。

最終的にどこまで成長できたか。

あの考えに皆様が共感できたかどうかはわかりませんが、たくさんの応援メッセージに励まされ、最後まで思李らしくいれたような気がします。



他にも兄のダイは私の理想の兄貴だし。

夏梅は頼りたい姐さんタイプだし。

由惟は不憫でならないし。


みんなそれぞれ、私の一部を持った、大切な子どもたちです。


ちなみに余談ですが柚瀬家の父は小説家だという設定があります。
昔大ヒットを飛ばしたものの、現在は鳴かず飛ばず。

それでも当時の印税を田舎暮らしのまったり生活で大事に使い、加えしっかり者の母(昔押し入った強盗を一人で捕らえた経験あり)のおかげで、現在も暮せている…という。


まったく出てこない二人でした。