「そういえばすず、お前も鳥の名だったな」



顔を見られたくなくて、俯いていたら不思議なことを言われた。



いつも継虎様は私を「すず」と呼ぶけれど、本当の名は「すずめ」


継虎様のお母様に拾って頂いて、名までもらって、お屋敷で働くようになって。



それは、継虎様も知っているでしょう?



今更、どうして?





顔を上げて継虎様を見るものの、言葉は続かない。


ひとりまた空を見つめて、何か考えているよう。



その姿に、また頬が火照る。