「継虎さまーっ、もう日が暮れちゃいますよ……って、わ!」



きっとまだ寝ているんだろう、と思っていた。


だけど林の真ん中、少し開けた場所で継虎様は立って空を見上げていた。



「もう、継虎様、起きてるなら早くお戻りになって下さい! お父様とお兄様がお見えになってますよ」



継虎様のすぐ横まで駆け寄り、声をかける。


するとようやく。



「ああ、すず、お前か」



こちらを向いて名を呼んでくれた。



だけど。





なんだろう、その顔は今朝見たときと違うような。