戦国サイダー

勿論初めての水族館だけれど、リアクションの薄い虎は黙って眺めるんだろうなぁ、と予想していたら。


案外、じいっと泳ぐ魚を見つめたり、サメに眉を寄せたり。


一番可愛かったのが、ペンギンのところで。


あのぽってりとした不思議な生き物にすっかり心を奪われたらしく、しばらくそこのガラスから動かなかった。


ただ、私は微笑ましいというか嬉しかったのだけれど。


何分存在感がある虎が、よりによって腕を組んで仁王立ちでペンギンたちを、傍から見たら睨むように見ていたものだから。


家族づれの子どもたちがびっくりしてあまりペンギンコーナーに長居出来ない様子だったのが申し訳ない。


きっとペンギンたちも、普段とは違う光景に多少びびっていただろう。



その後は一緒にイルカショーを見て、ぐるっと回ってからもう一度ペンギンを見に行って。


せっかくだからと、夜は美味しいパスタのレストランへと向かった。


もう虎も、食事に戸惑うことはない。