夕立ちの音を聞きながら、一緒に茶の間で昼寝をした。


といっても私はうつらうつらしただけで。


虎は私の膝の上で、落ち着いてすやすやと眠っていた。


雨が土の匂いをたたせ、網戸から侵入してきて私の鼻をくすぐる。


雨で冷えた空気が、眠りかけの頬を撫でる。



ばらばらと音を立て出した雨の音に、意識がはっきりとして。



ふと瞳に映ったのは、幸せそうな虎の寝顔。



あんなに、不機嫌に寝ていたのに。



少しは、私はあなたの為になったのだろうか。



そっとその頬を指でなぞっても、目覚めないあなた。


額にじんわり浮かぶ、汗を優しくぬぐってから。


横に置いていた団扇で、静かに風を起こした。