戦国サイダー

でもね、もう決めてたんだよ。


泣いたのは、こんなに早く来るとは思わなかっただけ。


時間がこんなにもないなんて、ちょっと悲しかっただけ。



だから。



もう必死に考えた後なんだ。



「……みらい?」


「そう、虎が伊桜を平和にしようと頑張ってくれたおかげで、今の伊桜はこんなに幸せなの。そして、私はこの先この町で生きていく」



虎の目にはどう映ってるのかな。


平和そうに、幸せそうな土地に、見えてるのかな。



「だから、私たちの未来。虎が創ってくれて、この先は私も造ってゆく。この先もずっと幸せでありますように、って」



握った手が、強く握り返してきた。





「だから、虎。戻って伊桜を幸せにして」





もう泣かない、今朝そう決めた。


だってこれは悲しいことじゃない。


私たちの未来の為に、必要なこと。