大きな手のひらは、結構節がしっかりしてて、ごつごつしてる。



うん……そんなことはどうでもいいんだ、今度はなんですか。


アナタの顔の真正面に運ばれましたが、また毒味でしょうか。



「お前は、人間か」


「は、はいっ?」



またその質問ですか!? もう何度も繰り返したでしょう?



「お前は、儂と同じ人間の女か、と聞いておるのだ」



刀がないだけマシだけど、そのお顔は鬼気迫ってますね。


うし、アナタのことは心の中で『鬼虎』と呼ばせて頂きます。



「人間です、女です。なんにも違いません。ついでに言うと乙姫さまでも魚とか蛸が化けたんでもありません……ってひいっ!」



なっ、なんでいきなり左手を腰に回してんのよ!


しかも抱えて若干鬼虎の背後に引っ張られ、右手で刀……刀?