戦国サイダー

「ほら、佳菜美、茉莉、行くよ? こんな薄情思李は置いといて、いい男でも探し行こう」



薄情、いやまあ反論しませんけれど。


しかし声でかいよ、綺。


ちょっとばっかしの奇行、お祭りの人混みじゃ許されちゃうものですが。



「「えー」」



だからそこもハモらないで。


微妙な角度でふたりの顔はわからないけれど、きっと同じ表情を浮かべてる。



「だってこんないい男、滅多にいないじゃーん」


「そうそう、うちらこの御方と仲良くなりたいー」


「あ、オレで良ければ紹介すんぞ?」


「はいっ!?」



声だけ聞こえたその人に、思わず奇声を上げたのは私。