戦国サイダー

でもそれはすぐに引っ込んだ、虎が一瞬こっちを見たから。



「あー、ちょっと楽しそうだけれど」



その一瞬で、綺のテンションが一気に変わった。



「なんかさ、今のでわかった気がする。私が遊んでいいレベルじゃないや」


「……は?」



いや、綺さんよ。


今の虎の動きに、一体何を読み取ったんですか?


貴女の解釈は、ときに盛大に間違えてることがあるんですけど?



「しょーがないなー。オンナ綺、一肌脱ぎますか」


「はい?」



意味がわからず虎と綺の顔を交互に見ていると、ゆっくりとだけれど確実に近づいてくる由惟さんに虎も気づいたご様子。



何故か私は袖を引っ張られ、やや虎の斜め後ろに移動する羽目に。


それを見て、綺はひとり納得顔。