そういえばこの人の朝を私は見たことがない。


やけに早起きらしく、私が七時に下に降りていけば既に庭で竹刀の素振りをしているのだ。


昼寝はあの一回以降どうってことないんだけど……朝はこの人どうなんでしょう……


もしや思いっきり低血圧?



「赤くなったり青くなったり白くなったり、阿呆かお前は」



てっ……低血圧だ……


眉間に皺ができるほど眉が寄っちゃってますし、未だ瞼は全開じゃありません。


でもそれが余計に眼光鋭く思えて怖くてたまりません。



「黙ってねぇで何か言えよ」



キャラ崩壊してますよ!?


しかもあれでしょ、それって言ったら言ったで「煩い」とか言われるフラグですよね?



うー、ますますこの男がわかんない。


なんだろう、いつもの虎って実はすごくありがたい存在なのかな。



ちょっと初日のことを思い出しそうですよ。


あ、なんか懐かしいな、あのときの虎ってとにかく脅してばっかりで……ひいぃ!



その視線で人を殺せるんじゃないかと思う。