戦国サイダー

私は再び虎の胸に顔を押し付け、ただただ静かに涙を零した。



虎が帰ると断言したことが悲しいわけじゃない。


寧ろはっきり言ってくれてどれだけ安心したか、嬉しかったか。



ただ惜しむべきは。





虎は伊桜を平定した翌年、死んでしまうこと。



しかも戦でじゃない、病気を患ってと記してあった。



わずか一年、その間虎はみんなが幸せに暮らす伊桜を見れたのだろうか。


柚木崎の当主となった兄夢継は、すぐに今度は地方の統一を目指した筈だ。





こんなにも、国を愛しているのに。



神様はやはり残酷だ。