いい加減この疑ってばっかり男に付き合ってられないと、私はグラスを取って一口喉に流す。


男はその間、一時たりとも見逃すまいといった雰囲気で私を見ていた。



「ほら! 大丈夫ですってば!」



勢いよくテーブルに置いたグラスの中で、氷がからん、と音をたてる。



「ふん」



なっ……人に毒味みたいな真似させといて、鼻で笑うって……



その綺麗な顔が、とてつもなく、むかつく。



溜め息混じりに俯いたところで、継虎さんがグラスに手を伸ばすのが見えた。


……が、指がグラスに触れた刹那、手を離して再び持ち直す。



ま、いいや、今のうちに――