そんな、時間をもらった意味があるのかないのかわからない時間を過ごしていた。


タイムリミットは明日の夕方。



いや、こういうことにタイムリミットなんて存在しなくていいと思うけれど。



まだ真上にあるお天道様を見上げ、残りの洗濯ものをぱぱっと外して、家へと戻った。


真夏は乾くのが早い、おかげで一日にたくさん洗濯出来る。



お日様の匂いの残るシーツを畳もうと茶の間に腰を下ろしたとき、携帯のサブディスプレイが光っていることに気がついた。


着信を確めると、そこには懐かしい名前。


時間も五分程前だったので、掛け直してみることにする。


呼びだし音が五コールぐらいしたところで、



『思李ー、元気してんの?』



明るくてさばさばした声が聞こえてきた。



「うん、元気。夏梅(ナツメ)ねぇは?」


『元気元気、てかさ、今暇? 時間出来て戻って来てんだ、どっか行かない?』