そして、それから二日。


兄の電話によれば明日の夕方には帰って来るらしい。


久しぶりのひとりきりを過ごしている間、私は色んなことをしていた。


受験勉強、読書、畑の手入れ、家の大掃除。



どれも、考えることを拒否した結果。



ううん、拒否ではない、ただ考えても一向に前進しなかったのだ。


いくら考えてみようと、想像してみようと。



思い浮かぶのは、虎の微笑んだ顔。





今ここに戦は存在しないと知って、一瞬安心したように微笑んだあの顔。





それを思い出せば、いつもどうしようもないぐらい痛くなって、苦しくなって。


何も考えられなくなった結果、奇妙な行動に走り。


あ、どう奇妙なのかは記憶の底に投げ捨てておきましたが。


正気に戻ったときに、これではいけないと、まともなことをしたくなって家が綺麗になり、受験勉強がはかどる、と。