そんな私を見て、兄がちょっとだけ悲しそうな瞳を向けてくる。



「あと……もしその覚悟があるなら。虎のこと調べてみなよ」



そういえば、兄は以前虎が本当に過去から来たのかを確める為に、色々調べてたんだっけ。


『その覚悟』が何を指すのかは、わかるようでわからないようで。



でもなんとなく知るべきかもしれない、とも思った。


それも判断材料になるような気がして。



「うん……調べてみる」



私の未来はわからないくせに、虎のことを知るのは卑怯だろうか。


勝手に、彼の人生を見てしまうなんて、いけないことだろうか。



わからない、頷いてはみたものの、迷いも生まれていた。




「ねえ、お兄ちゃん」



もうこのままここで寝てしまうんじゃなかろうか、と思えるほどだらりとしている兄に聞いてみる。


なんだかもう、今日は疲れたから。


後回しにするな、とか怒られそうだけど。